2012年 02月 09日
『小確幸(しょうかっこう)』 |
前にも書いた気がしますが 私のお友達の年齢の幅はけっこうひろいです。
その一番上に位置する方が80うん歳。
その方からもらった今年のバースデイカードに『小確幸』という言葉がありました。
どうやら村上春樹氏の造語らしいです。それはまさに字のごとく 小さいけれど確かな幸せのこと。
そのお友達 最近は足がいたくてあまり出歩くことができません。
でも楽しいことをみつけるのが上手な人、彼女の心の中に亡き母と同じものがあるなぁと時々思います。
カードには『小確幸』についてかかれていて
小さな幸せは身辺にいっぱいありますね。...........と。
.....毎朝、朝食をとりながらトレッキングに参加し氷河のクレバスに落ちないように脚に力をいれたりしています。先日は犬ぞりの競技にも参加し犬達の可愛さに涙しました。これI子さんの影響と思い感謝しています。
その彼女、私が好きな山の番組チェコの番組があるとこまめに電話をくれるのです。
今日の電話は「今BS2でプラハやってるよ。みて!みて!」でした。
すぐにスイッチオン!
それはNHK名作選 千年の王宮 プラハ城 きざまれた民族の記憶でした。
これがなんとも素晴らしい作品でした.特にわたしにとってですが。
遥か昔、43年前プラハに一年間すんでいた私達(夫は2年間でした)にとってプラハ城はとっても懐かしい場所です。住まいと近かったこともありよく歩きましたし だれかが訪ねてくるとかならずここに案内したものでした。
でもよかったのはそんななつかしさではありません。
番組は若いペトラ・トウショバーさんを水先案内人にそして彼女と一緒に学んでいく形ですすんでいき、複雑なチェコの歴史をひもときながらプラハ城がどのような変遷をたどってほんとに人々の元に戻ってきたのかをわかりやすくひもといてくれました。
昔連れ合いが熱く語っていたヤン・フスやチェコ初代大統領のマサリクが何をいい、どのようにすばらしかったのかなぜチェコの国民に愛されてたのかということについても今日の番組で本当によくわかりました。あの頃、彼の話は私の中をす〜と通過していたのでしょうね、たぶん。
1989年12月東欧の民主化の波にのってチェコは一滴の血も流さすにビロード革命をするのですが その新しい年の年賀状に夫が書いた言葉が今日なんどもでてきた、そしてプラハ城にかかげられた旗の言葉『PRAVDA VITĚZÍ(真実は勝つ)』だったのです。番組の中にこのペトラさんのお父さんもでて自分たちも弾圧をうけたチェコ事件について語る場面もあり、この言葉の奥にある長い歴史と深さがよくよく理解できたというわけです。
天国の彼が「やっと今頃わかったのか!」といってる気がしますが長く生きてるっていいことですね。
昔うわすべりしてるだけの知識が自分のものになる日がくるんですから。
Tさんのくれた電話でとっても収穫があった、これが今日の私の『小確幸』でした。
by mount22
| 2012-02-09 23:49
| くらし