2013年 11月 22日
映画㉙『先祖になる』 |
『先祖になる』最終日にばたばたとぎりぎりにガーデンズシネマにとびこんでみてきました。
なんだか震災にあったおじいさんの話みたい・・・くらいで ほとんど予備知識なしの状態だったのですが なんだかこの映画が私をよぶというのか 見過ごすわけにはいかない気持ちでかけつけた次第。ドキュメンタリーだし1時間半程度かな?とおもっていたら二時間しっかりあって終わって時計をみておおあわて。 おかげで次の予定に大幅に遅れてしまいました。
でも観に行ってよかった〜としみじみ思うほんとにいい映画でした。
映画は岩手県陸前高田市で農業と林業を営む佐藤直志さんが東日本大震災にあいそこから孤軍奮闘してたちあがり、ついには自分の家をたててしまうその姿をおったドキュメンタリーです。
監督は ロングランヒットした「蟻の兵隊」をとった池谷薫監督。
この直志さんは77歳のがんこじいさん。津波で家をこわされ、消防団員をしていた息子は 近所の老人をせおって避難させようとしているとき津波にのまれてなくなったという、役場からの再三の避難所にうつるようにとのすすめも拒否しこの土地に生き続けるという。
「家がなくなったらまたたてればいい 先祖からみなそうやっていきてきた」と。
「水さえあればどうにでもなるんだ」
彼は被災からわずか三日後にその年の米作りを決め、五月には知人の田んぼを借り田植えをはじめるのです。そしてさらに山に分け入って津波にさらされて枯れていくかもしれない大木を次々に切り 元あった場所に自分の家をたてようと奮闘するのです。
土地に根ざし 土地に生き 何があっても凛と姿勢をただし前向きに生きようとする姿は とても美しいのです。 そんな頑固さはすばらしい。
「勤労意欲を失ったら人間じゃない。施しをうけてばかりはだめ、もらいぐせがついてな〜」
でも寝るとき布団にかけられてる編み物は これは支援におくってもらったものと感謝も忘れません。
強いといっても病気も抱え 腰も痛いらしい、それでも彼の強さと優しさは周りの人達を少しずつ動かしていくのです。
働いてる時のおじいさんの顔がすばらしい、ラストシーンやっと建った家で朝日をあびてかがやいてる直志さんの顔がすてきでしたね。
生きることとは何か そんなことを見る人に問いかけてくる映画、私の 今年のベストスリーにはいる秀作でした。
たまに「AIKOの映画評読んでみにいったよ」といううれしい声をききます。
多くの人にみてほしい映画なのに最終日だったのがほんとに悔やまれます〜〜〜。
by mount22
| 2013-11-22 22:55
| 映画