2016年 09月 20日
映画『エリック・ロメール 緑の光線』 |
彼の恋愛映画8作品をデジタルリマスター版で特集する「ロメールと女たち」
この『緑の光線』はその中の一つで、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた作品。
フランス映画らしい 淡々とした中に男女の心の機微を軽妙に描く 彼の作品はまるでドキュメンタリーを見ているような感じさえします。
この作品台本なしで たった四人のスタッフで撮影されたとか 結構アドリブなどもあるようでだからドキュメンタリーの香りがするんですね。
「緑の光線」は 一人の女性のひと夏の体験を描いたもの。ヨーロッパの夏休みはたっぷりとしたなつやすみだ。予定してた計画が ダメになった彼女デルフィーヌ、ひとりぼっちの夏休みをなんとか実りあるものにしようといろいろやってみるが満足しない、恋に恋する女 あまりにも引っ込み思案 理想は高く 寄ってくる男も拒み 友達欲しいのに作れない こだわりが強すぎて人とぶつかったり ・・・そんな彼女に 見ていてもイライラしてしまうくらい。なんと楽しみ方の下手な女 もっとうまくできないんかい!と ぐだぐだするのが嫌な私は思ってしまいます。
タイトルの緑の光線とは 日没の時一瞬見える光のこと それを見た人は幸福を得られると言われているという話。
なんとなく苛立たしいエピソードが繰り返されるのですが それでも 最後が救いです。 一人の青年と 緑の光線の見える瞬間を待ち それが見えた時 「よかったね〜」と応援したくなるのだから。
優しい南仏の光に包まれたゆったりとした幸せを感じる光景 その中でおっとりと語られていくストーリー こんな映画も結構好きです。
by mount22
| 2016-09-20 00:56